ここでは、OpenAIの「ChatGPT」を利用して、ユーザーが指定した条件を満たした文章を生成する「テキストの自動生成機能」についてご説明します。メインレコード・サブレコードに登録したデータを利用して、柔軟に条件を指定可能です。
ChatGPTとは
ChatGPTはOpenAIによって訓練された大規模な自然言語処理モデルです。チャットボット、自動翻訳、機械学習など、様々なアプリケーションで使用されています。ChatGPTは、多数の文章を読み込んで、自然言語理解、文章生成、質問応答などのタスクを実行することができます。
※本機能を使用するにあたり、OpenAIとの利用契約は不要です。
設定方法
本機能を利用するためには、「ChatGPTによるテキスト生成」機能の設定が必要です。以下、設定方法を順に解説します。
①「外部サービス連携」から「ChatGPTによるテキスト生成」機能の設定を開始する
- サイドメニューから「外部サービス連携」を選択する
- 「ChatGPTによるテキスト生成機能」の「設定する」ボタンをクリックする
- 「新規作成」ボタンをクリックする
②各種設定を行う
- 「ステータス」の「有効」を選択します。
(※「無効」を選択した場合テキストの自動生成は行われません。) - 「設定名称」にて、サービスの名称を入力します。自動生成機能の設定は複数作成することができ、「今作成している設定がどんなテキストを自動生成するものなのか」を区別しやすくするために、設定が必須となっています。
- 「変換提示文(プロンプト)」にて、ChatGPTに行ってもらいたい処理を記載します。この際、設定したメインレコード・サブレコードの変換キーを挿入することで、登録するデータ次第で内容を柔軟に組み立てるプロンプトを記載できます。上記画像では以下のプロンプトを記入しています。
# ↓「${〇〇}」が変換キーにあたります
${複数行テキスト}の内容を${数値}行以内で要約してください。 - 「必須項目」にて、3.で使用した変換キーのうち、テキスト自動生成において必ず使用したいものを記入します。なお、複数の変換キーを必須項目とする場合はカンマかスペースで区切る必要があるためご注意ください。
- 「生成テキストの保存場所」にて、ChatGPTによる出力結果を保存する場所を選択します。なお、保存先として選択できるのは「一行テキスト」、「複数行テキスト」の2つになります。
- 「実行タイミング」にて、テキスト生成を行うタイミングを選択します。2種類のタイミングに大きな違いはないため、用途に合った方を選択してください。
・「レコード登録・修正時」→自動生成された出力結果をすぐに確認したい方むけ
・「バックグラウンド処理」→必要なレコードをすべて登録した後に出力結果を確認したい方むけ - 「保存」ボタンをクリックする。
最後に、当機能の使用パターン3種類についてご紹介します。
- メインレコードのデータを利用して、ChatGPTによる出力結果をメインレコードに保存する
- サブレコードのデータを利用して、ChatGPTによる出力結果をサブレコードに保存する
- メインレコードのデータを利用して、ChatGPTによる出力結果をサブレコードに保存する
具体的な使用例 〜日報の自動作成〜
ChatGPTは以下のタスクを実行することが得意と言われています。
- 文章要約
- 文章・プログラミングにおけるソースコード生成
- 質問応答
今回はその中でも「文章要約」に注目し、業界・業種を問わず多くの企業が導入している日報作成業務を、テキストの自動生成機能を使ってより効率的にしてみたいと思います。以下、順に解説していきます。
(※ChatGPTの出力結果の精度は高いものの、必ずしもユーザーが望む結果が返ってくるとは限りません。そのため、ユーザー自身が生成された文章の最終的な確認を実施するのが望ましいです。)
①「レコード項目の設定」
最初に、アプリの画面上側に表示されている「アプリの設定」アイコンを選択し、日報アプリに必要なレコード項目を設定していきます。
今回は、必要最低限のレコード項目を設定していきます。以下、上記画像で設定したレコード項目の詳細になります。
- 記入者(プルダウン)
- 日付(日付)
- 今日の業務内容(複数行テキスト)
- 日報(複数行テキスト)
記入者・日付・今日の業務内容の情報をChatGPTに投げかけ、その出力結果を日報(複数行テキスト)に反映させる、というイメージで次に「ChatGPTによるテキスト生成機能」の設定を行っていきます。
②「ChatGPTによるテキスト生成機能」の設定
上述の「設定方法」に則り、設定を行っていきます。
以下は、上記画像で記載した変換提示文(プロンプト)になります。
${日付}における${記入者}の日報を、${記入者}になりきって作成してください。
なお、作成するにあたって以下の条件とテキスト情報を使用してください。
条件:
###
・箇条書きは使用しないでください
・「今日やったこと」、「うまくいったこと」、「学んだこと/改善点」が文章中に含まれないようにしてください
・文章の最初は、「${日付}、${記入者}の日報」としてください
・挨拶文は省略してください
###
テキスト:
"""
${今日の業務内容}
"""
上記プロンプトは、ChatGPTに守ってほしい条件、使用してもらいたいテキスト情報を、分かりやすく区別して提示している点が特徴です。「情報を区別して分かりやすく伝える」ことを意識してプロンプトを記載すると、ユーザーが望む返答をChatGPTがしてくれる可能性は大幅に高まります。
③日報自動作成の実行例
それでは最後に、実際にレコードを追加してChatGPTの出力結果を確認してみたいと思います。新たに追加したレコードの各種情報は以下になります。
- 記入者→出茂太郎
- 日付→2023-05-12
- 今日の業務内容
・今日やったこと
□研修課題(フォーム入力部分の処理を中心にコードを読み、理解を深めました)
□開発ユニット週次MTG
□自社サービス検証(1・複数行コメントが登録されているかで検索を実行できるかどうか等)
・うまくいったこと
□実際に手を動かしながら自社製品を使用することで、製品理解を深めることができたこと
・学んだこと/改善点
□チャットツールでの報告・返信は、相手が一番に知りたいことを最初に述べるほうが、相手にとって快適なコミュニケーションが取れるということ
これらの情報を元にChatGPTが自動生成した結果が以下になります。
2023-05-12、出茂太郎の日報
今日は研修課題に取り組み、フォーム入力部分の処理についてコードを読み理解を深めることができました。
その後、開発ユニットの週次MTGに参加しました。
また、自社サービスの検証も行い、複数行コメントが登録されているかで検索を実行できるかどうかを確認しました。
今日は、実際に手を動かしながら自社製品を使用することで、製品理解を深めることができました。
そして、チャットツールでの報告・返信について学びました。
相手が一番に知りたいことを最初に述べるほうが、相手にとって快適なコミュニケーションが取れるということです。
以上、本日の報告となります。
プロンプトで指定した条件を満たしつつ、使用してほしいテキスト情報が盛り込まれた日報が作成されていることが確認できます。生成された文章をベースとし必要があれば加筆・修正することで、クオリティの高い日報を短時間で作成することが容易になります。
サービス利用料金について
最後に、テキストの自動生成機能の利用料金についてご説明します。
本サービスでは、生成指示のテキスト+生成されたテキストの合計バイト数に対して1,000byteごとに2円(税別)の利用料金が発生します。
この際、日本語1文字は3byte、英数字は1byteとしてカウントされ、プロンプトが5,000byte以上になるとテキスト生成を行うことができませんので、5,000byte以下になるように調整してください。