IF、AND、OR関数は計算時の条件によって値を変更できます
「IF関数」は、計算式項目に「条件式」を設定することで、結果に応じて指定された値を返します。
また「IF関数」に「AND関数」や「OR関数」を含める事で、複数の条件を満たしている場合や、いずれかの条件を満たした場合などを指定する事が可能です。
条件式の基本構成
●条件式
「${点数}>=80」の部分は条件式です。
例えば、「点数」のレコード項目に100が入力されている場合は、「100>=80」となり、
100は80以上なので、条件に合致した場合の"合格です"が結果として表示されます。
条件式の部分は「レコード項目の差し込みキー」や「数値・文字列」を入力する事が可能です。
差し込みキーは「項目名」や「項目キー」が使用できます。
●演算子
「>=」の部分は演算子と呼ばれ、条件の左辺と右辺を、比較するための記号となります。
今回使用している、「>=」の場合は、左の値が右の値以上であれば「条件に合致した場合の値」を返し、それ以外の場合は「条件に合致しなかった場合の値」を返します。
比較演算子の種類と説明については、下記をお読みください。
●真の場合(条件に合致した場合の値)
「"合格です"」の部分は真の場合(条件に合致した場合の値)です。
条件に合致した場合の値は、デフォルトの設定だと、数値のみの表示ですが、先述の「計算結果の型」を変更する事で、「文字列」や「日付」、グラフのラベル項目として使用できる「分類型」にする事が可能です。
●偽の場合(条件に合致しなかった場合の値)
「”不合格”」の部分は偽の場合(条件に合致しなかった場合の値)です。
条件に合致しなかった場合は、全てこの結果になります。
こちらも「計算結果の型」を変更する事で、「文字列」や「日付」、「分類型」にする事が可能です。
IF関数を使った計算式の例
「IF関数」は、指定された条件を満たした場合に指定された値を返します。
計算結果として表示できる値は「計算結果の型」によって異なります。
# 軽減税率の振り分け
IF(${軽減税率}="対象",${商品単価}*1.08,${商品単価}*1.1)
「軽減税率」のレコード項目で選んだ値が「対象」の場合は、「商品単価」に1.08をかけた金額が結果として表示されます。
それ以外の場合は「商品単価」に1.1をかけた金額が表示されます。
この例では、計算結果の型を「整数型」に設定しています。
# 特定の数値による振り分け
IF(${点数}>=80,"合格","不合格")
「点数」のレコード項目に入力された値が「80以上」の場合は、「合格」になります。
それ以外の場合は「不合格」が表示されます。
この例では、計算結果の型を「文字列型」に設定しています。
# グラフに使用するラベルを特定の金額で振り分けたい場合
IF(${サービス利用料}>=10000,"VIP会員","通常会員")
「サービス利用料」のレコード項目が「10,000以上」の場合、「VIP会員」が表示されます。
それ以外の場合は「通常会員」が表示されます。
この例では、計算結果の型を「分類型」に設定しています。
この項目を利用して、VIP会員の人数や、合計金額をグラフ化する事も可能です。
# 数値が未入力の場合に10として計算させたい場合
IF(${数値},${数値},10)
計算式に使用する数値が「未入力」の場合に、特定の値で計算したい場合に利用できます。
${数値}が入力されている場合は、入力されている値となり、未入力の場合は10が表示されます。
この例では、計算結果の型を「整数型」に設定しています。
AND関数を使った計算式の例
# 3教科の数値が全て70以上の場合だけ合格を表示したい場合
IF(
AND(${国語}>=70,${英語}>=70,${選択科目}>=70),"合格","再テスト")
)
「AND関数」は、指定された条件を全て満たした場合に指定された値を返します。
上記の例では、条件式の項目が全て70以上の場合「合格です」が結果として表示されます。
どれかひとつでも70以下の場合は、「不合格」が結果として表示されます。
この例では、計算結果の型を「文字列型」に設定しています。
※AND関数の中でOR関数を使用することは出来ません。
関数をネストさせる計算式は、後々にその計算式を保守していく人を混乱させやすくなってしまいます。計算式を複数段階に分けることで、式を簡素化することが出来ますので、そちらをお試し下さい。
OR関数を使った計算式の例
# 3教科の内、いずれかの教科が70以上の場合に合格を表示したい場合
IF(
OR(${国語}>=70,${英語}>=70,${選択科目}>=70),"合格","再テスト")
)
「OR関数」は、指定された条件のいずれかを満たした場合に指定された値を返します。
上記の例では、条件式の項目の内、いずれかが70以上の場合「合格です」が結果として表示されます。
条件式の項目全ての値が70未満の場合は、「不合格」が結果として表示されます。
この例では、計算結果の型を「文字列型」に設定しています。
※OR関数の中でAND関数を使用することは出来ません。
関数をネストさせる計算式は、後々にその計算式を保守していく人を混乱させやすくなってしまいます。計算式を複数段階に分けることで、式を簡素化することが出来ますので、そちらをお試し下さい。